「地球はとっても丸い」プロジェクトの面々が心を込めてお届けしたエッセイです。
何かを始めるのに遅すぎることはない
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    ゲスト寄稿
    文:スズキマサミ (シアトル・アメリカ合衆国)


     昔から無類の海外旅行好きだった。

     会社員を経てトラベルライターに転身したのも、「タダで旅行ができて、その上お金までもらえるなんて、こんなにオイシイことはない!」と思ったからだ。

     ま、タダこそ高いものはないというように、仕事の旅はときに過酷で、ときに無理難題が多く、自腹を切って来た方がよっぽどマシじゃ! と怒鳴りたくなることもしばしば。それでも最後にはいつも「旅ができる私の仕事って最高!」と思うのだった。

     昔から海外生活にも憧れていた。

     仕事やプライベートで世界を巡るかたわら、旅行者として駆け抜けるのではなく、地に足をつけてそこで暮らす体験をしたい! とアメリカ、ニュージーランド、タイなどでホームステイを経験。

     しかし、海外生活ジャンキーとでもいうのか、そのうち1カ月やそこらのプチ海外生活では満足できないカラダになり、腰を据えて暮らす方法を漠然と考えていた。

     ところが! ふと気がついたら三十路に突入。

     世間一般では、お肌の曲がり角とか、人生の曲がり角とか、明らかにおっさん&おばはんとか言われ、もし私がポルノ女優だったら出演ビデオは“熟女コーナー”に並ぶ世代。さらに、これだ! と思っていたワーキングホリデーも対象年齢を過ぎてしまった(泣)。

     そんな状況で、周囲にも夢と現実を見極めて守りの生活に入る人が増殖する中、私は「海外暮らしがしたかったんだし、英語も本腰を入れて勉強したい。そうだ留学しよう!」と、学生ビザを手にアメリカへ渡ったのだった。

     しかし、人生はすべからく予定どおりにいかないもの。最低でも2年間アメリカで学生するつもりが、ひょんなことから就職の話が飛び込み、「アメリカで社会人体験、いいかも♪」と予想外に社会人生活がスタート。そうこうしているうちに、ひょんなことから運命の人と出会い、あれよあれよという間に結婚、そして出産……。

     かようにわたしの人生はいつも“そうこうしているうち”と“ひょんなこと”だらけ。アメリカ留学を決意した時はこっちで働くことはおろか、アメリカ人と結婚して住むことになるなんてこれっぽっちも考えていなかったのに、人生って本当に何が起こるかわからない。

     そんな私の、なりゆき&ドタバタな半生を綴った本が9月に出版された。タイトルはなんのひねりもなく、『アメリカでママになっちゃった! 〜何かを始めるのに遅すぎるということはない〜』。

     自叙伝と呼ぶにはあまりにもケーハクだけど、トラベルライターのウラ話から、ゲイガイズと共同生活を送りながら、日々アルツハイマー化する脳みそにムチを打ちつつ挑んだ学生ライフ、日米の狭間で悶えた社会人生活、アメリカ人ハズビーとのカルチャーショックな日々など、トピックはてんこ盛り。激しく落ち込んだ時や笑いたい時、発熱、悪寒、喉の痛みにも効果があるといわれ、読んだ後は鍋敷きとしても活用できる便利な一冊になっている。




    アメリカでママになっちゃった! 何かを始めるのに遅すぎることはない
    スズキマサミ著


     それはさておき。ダイレクトには書かなかったものの、この本には私の人生哲学が込められている。それは、

    「何かに向かって前進することで、おのずと道が切り開けていく」

     そう、何かに向かって最初の一歩を踏み出すと、今度はそこから新しい何かが、それまで予想もしなかった何かが始まっていく、ということ。

     留学、海外生活、はたまた転職や起業・・・・・・。最初の一歩を踏み出すにはちょっとした勇気が必要だし、「いい歳して」、「何を今さら」と、とやかく言う人も出てくるものだが、ときには“周囲の声をムシする勇気”も必要。

     さらに、したいことをする前から「こうなったらどうしよう」と過剰に心配したり、「その後はどうしよう」と、する前から「した後」のことを考え過ぎるのも考えもの。石橋を叩かずに渡る行動力は、ときに予想外のパワーを与えてくれるし、それより何より、初めの一歩を踏み出した瞬間からすべては微妙に、ときに大きく変っていくのだから。

     これは私の本のサブタイトルでもあるけれど、何かを始めるのに遅すぎるということはない。やりたいことをやらずにあとで後悔するより、やって失敗した方が気持ちはスッキリ! ときには自己チューになって「私がやりたいんだからいいでしょ」と考えるようにすると、人生が数倍楽しく、ストレス・フリーでいられること請け合いです。

     一方、「やりたいことをやってみたけどうまくいかなくて、それが大きなストレスになっている」という方。それはそれでまた別の話なので、そこのところはつっこまないでください。


    ≪スズキマサミ/プロフィール≫
    東京・下町生まれのフリーランス・ライター。34歳を目前に一発奮起してアメリカ留学を決行するも、現地就職、現地恋愛、結婚、出産……と想定外の出来事が続き、未だにアメリカ・シアトル住まい。著書に『派遣の花道』(WAVE出版)、『極楽西海岸の暮らし方 アメリカ・カナダ編』(共著/山と渓谷社)、『アメリカでママになっちゃった!』(TOKIMEKIパブリッシング)などがある。
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    自分らしさを取り戻す旅
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      ゲスト寄稿
      文:ノーラ・コーリ(アメリカ合衆国・ニューヨーク在住)


       自分らしく生きること、自分の心に素直に生きることとはどういうことでしょう?私は20年以上、世界中に住む日本人女性の相談事にのってきました。その中でも結婚をし、海外に出てから、無力さを感じたり、自分を失ったり、自分の居場所が見つからなかったり、自信をなくしてしまったと感じている女性が後を絶ちません。

       日本の家族や親友に別れを告げ、大好きな日本食も諦め、夫の住む異国の地に出向く決心をした彼女たちは、当初それなりの強さがあったはずです。それなのになぜ彼女たちはもっとも大切であるはずの自分自身を失ってしまったのでしょう?確かにことばのハンディから失う自信もあるでしょう。まともな仕事につけないことからの自信喪失、現地の教育システムで育ってないことのハンディ、など。しかし、多くの場合、彼女たちの悩みのもとは結婚した相手の男性がかかわっています。

       それは彼らが彼女たちの彼への依存を利用したからです。夫に頼らなくては生きていけない彼女たちは権力をかざす最も身近で都合のよい対象だったわけです。―どう扱おうが逃げない彼女たち、助けを求めたくても伝える手段を持たない彼女たち、その方法すら情報のない彼女たち。また日本人女性は夫に従順に従い、家庭的な女性が多いという評判もあります。子どもが生まれ、家庭に入ると一段と支配力が強まる傾向があります。しかし、海外に出るほどの女性は実はしっかりした、強い女性でもあります。理想と現実に直面した彼らがとった手段が権力と支配でした。いわゆることばによる巧みなコントロール、ことばの暴力やいじめ、モラハラです。

       カウンセリングでは彼女たちの状況に早く気づかせ、状況の分析を手伝い、支配の罠にはまらないための手段を考えていきます。子どもがいる場合は、子どもへの影響を考え、いかにその影響を最小限に抑えるかを考えます。そして、最終的には彼女たちが彼によって奪われた自信あふれる自分を取り戻す作業を行ないます。その過程では日本にいたときの自立した自分を思い出したり、現在の彼との関係をどのように改善していくかの話しも進めます。いずれにしろ、結婚暦が長ければ長いほど、そのからまったひもをほどく作業は時間がかかるものです。しかし、そこには必ず希望があり、私も多くの成功例を見てきました。

       夫婦は本来対等な関係であるべきなのです。もし彼女に異国に住むハンディがあるのであれば、むしろ彼女が自立できるように助けるべきなのです。海外であろうが、ことばの壁があろうとも、自分らしく生きることは誰にでも与えられた権利です。そして自分らしく生きていてこそ、幸せを感じるはずです。

      このたび、新刊


      『愛は傷つけない−DV・モラハラ・熟年離婚:自立のためのガイドブック』

      (梨の木舎)を出版いたしました。


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      < Copyright : Nora Kohri >
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