「地球はとっても丸い」プロジェクトの面々が心を込めてお届けしたエッセイです。
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今年はゼッケン334
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    文・写真:郷らむなほみ(カナダ・オンタリオ州在住)

     春が来た! いつもの年より、約1ヵ月も早い雪解け。陽射しがある日は、家の外の方が暖かい。南向きのウチのガレージ、夫がドアを全開にして愛車「フェアレディ240Z」の修復作業をする季節になった。

     また行くのか……。お天気とは裏腹に、思い出すだけで私の気持ちがドーンと沈んでしまう。
    公道を走るレース「タルガ」

     行き先は、カナダの東の果て、ニューファンドランド島。公道を走るラリー「タルガ」に参加するのだ。晴れても降っても、何が何でもカーレース、というノリ。嵐が来ていた日も、コースは短縮されたものの、レース自体は続行された。ツールやスペアタイヤなど荷物運搬担当の私は、トラックを運転して知らない町を右往左往。あんな経験は二度とイヤだ。

     開催地のニューファンドランドは、神々しいほど美しい。そんな自然を楽しめるのはタルガならではだが、猛スピードで突っ走ったら、景色も何もなかろうに。参加者のほとんどはプロかセミプロのラリードライバー、なんでいきなり勤め人のウチの夫が、と思うばかり。昨年は特に、強豪スティーブ・ミレンなんていう有名人が日産GT-Rで参加、Zと同じ会社の車が新旧で走ることになった。夫の場合、若い頃はアマチュアながらもレーサーだったから、きっと彼的には檜舞台なのだろう。気持ちは分かるが、ブランク20年。ダイジョーブか?

     運転技術もさることながら、私なりにリサーチしていくうち、ラリーやレースにはチームを編成するのが常識だと知って仰け反った。ウチの場合、夫とナビゲータ君、そして荷物運びの私というたった3人での参加なのだ。しかも、スポンサーなし。無謀だ……。

     カーレースというのは、恐ろしくお金がかかる。参加登録費用の捻出から始まり、レース用のヘルメットや服・靴・手袋を購入、車輛の改造費用、ラリーコンピュータ、無線機、GPS、燃料費などの他、私たちの宿泊や食事などなど、数え上げたらキリがない。
    公道を走るレース「タルガ」

     おまけに、昔やっていたオタワのスラロームレースに戻り、国際レース用サーキットでの講習会に出て、Zを連れてラリースクールにも行った。ケージの取り付けの際、車内の計器全てを取り除かれて再組み立てが必要になってしまい、移動の最中にもまだ配線作業をしていた昨年。

     それでも、レースなか日の3日目までは、割と順調に飛ばしていた。何日目にリタイヤするのかハラハラしていたのに、クラッシュの度に自分たちで直し、そのままレースを続けてしまったのだから恐れ入る。

     結局のところ、車の修理に手間取って全てのコースを完走には至らなかった。その雪辱をはらすために今年も挑戦するのだそうな。ご苦労さまなことで。
    タルガ

     もともとは、部品取り用に購入した2台目のZ。あまりにも調子が良いので、遂にはラリーに参戦するまでになってしまった。本当に、本当に、タルガは今年限りにしてもらいたいものだ。

    ≪郷らむなほみ・プロフィール≫
    フリーランスライターで、転勤族の妻。バンコク、香港、東京、カイロ、リヤドと異郷の暮らしが続いていたが、カナダ暮らしも遂に3年目。タルガ参戦のせいで、2年連続で転勤のチャンスを逃してしまった。いい加減、車の話は止めて欲しいと思う毎日。タルガブログ
    | 郷らむなほみ | 00:02 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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